今回もマイナス金利をマイホーム購入に活かすための基礎知識をお伝えします。
今回は住宅ローンの借り換えについてお話ししたいと思います。
この低金利で借り換えの相談が急増しております。
特に建築業者の担当者様がお客様のサービスで借り換えを提案しているケースが多く、色々ご相談をお受けしています。
そこで今回は住宅ローンの借り換えの基礎知識について解説していきたいと思います。
マイナス金利政策によって金利が下がっている現在、今の金利で新たにローンを組んで当初のローンを全て返済するという『住宅ローンの借り換え』がかなり人気を博しています。
住宅ローンの借り換えは、収入などに大きな変化がなく、きちんと返済が行なわれているお客様であれば、基本的にはどなたでもできますので、まずはメリットがあるかどうかトライしてみる価値はあると思います。
ここでは住宅ローンの借り換えを考える時のポイントについてお話ししたいと思います。
諸費用は新たなローンの組み込める!
住宅ローンの借り換えは新たに住宅ローンを組む事になりますので、下記のような手数料が掛かってきますが、通常はこの手数料も上乗せしてローンを組む事ができます。
- 保証料
- 事務手数料
- 登記費用
メリットはこんな風に計算する!
住宅ローンの借り換えのメリットの計算は、手数料は自己資金で払う場合と手数料も含めて借り換えする場合で変わります。
- 現在のローンの残り期間のトータルの支払い額を算出
- 現在の残高で借り換えを行なった後のトータルの支払い額を算出
- 借り換えに掛かる手数料を算出
①-(②+③)=借り換えのメリットになります。
- 現在のローンの残り期間のトータルの支払い額を算出
- 借り換え手数料を含めて借りた場合のトータルの支払い額を算出
①-②=借り換えのメリットになります。
手数料を含めた金額で借り換えても、毎月の返済が今より少なくなる事がメリットが出る条件です。
具体的に計算してみます。
現在のローンが、金利が2%、残高が2,000万円、残り30年だとすると、月々の返済額が73,923円、トータルの返済額が26,612,280円
これを1%のローンに借り換えると、月々の返済額は64,327円(▲9,596円)、トータルの返済額が23,157,720円
差額が26,612,280円-23,157,720円=3,544,560円
この場合の諸費用は多めに見積もって
事務手数料 2,000万円×2.1%=420,000円
登記費用 その他(概算) 250,000円
合計 650,000円
になりますから
諸費用を現金で出した場合のメリットは、3,544,560円-650,000円=2,894,560円
諸費用の分のお金が無いので、借り換えのローンに組み込んだ場合は、新たなローンの借り換え額は、2,000万円+65万円=2,065万円
これを金利1%、30年でローンを組むと、月々の返済額が66,410円(▲7,513円)、トータルの返済額が23,910,480円
メリットは26,612,280円-23,910,480円=2,701,800円
このケースだと、新車1台くらい購入できちゃうわけです。
住宅ローンの借り換え時に支払い金額を変えずに返済期間を短くすれば、さらにメリットは大きくなります。
先程の例ですと、諸費用を含めて借り換えをして、期間を3年短くする27年返済に見直すと、
月々の返済額は73,923円から72,751円(▲1,172円)、トータルの返済額は23,571,324円
メリットは26,612,280円-23,571,324円=3,040,956円
期間を短縮する方法はとてもお得になるので、私は強くオススメしています。
当然ですが、借り換え前と後の金利の差が大きいほどメリットが出てきます。
借り換える前と後の条件の変化に注意!
例えば、現在は持病があって団体信用生命保険に加入できない場合などは借り換えできない、なんてケースもありますので、きちんと検証する事が必要です。
固定金利と変動金利
今までの説明は全て固定金利から固定金利での借り換えの場合を前提にしています。
現在の住宅ローンが変動金利や3年固定選択型であったりすると、今後の金利がどう変化するかによって、トータルの返済額が変わるのでハッキリとしたメリットは算出できないんですね。
また、金利が安いからと言って固定金利から変動金利に借り換えると後々金利が上がってしまい、逆にトータルの返済額が増えてしまう可能性も出てきます。
ちなみに3年固定選択型のリスクについては固定金利期間選択型は普通の変動金利より危ない?でも書かせて頂いておりますので、良かったらご覧になってみて下さい。
固定金利と変動金利の違いをしっかり知ろう!
当サイトで何度もお伝えしていますが、金利が低い時期に変動金利を選択するという事は今後金利が上がるリスクを背負っているという事になります。
現在の変動金利や3年固定金利に比べて、全期間固定金利の方が高いのは『35年間金利保証』が付いているからです。
言い方を変えれば、変動金利は返済している途中に値段がアップしたりダウンしたりするローンであり、金利が低い今は支払いは底値になっており、支払い終わるまでには支払いが上がる可能性が高いんですね。
もっと言うと、最後には思った以上に高い買い物になっている可能性があるという事です。
変動金利で借りている方は今がチャンス!
あまり何も考えず変動金利で住宅ローンを借りた方にとって、たとえ支払いのメリットがあまり出なくても、この金利の低い時期に固定金利に借り換えする事は今後の金利上昇リスクを回避する大きなチャンスと私としては考えております。
借り換えの手間さえ惜しまなければ最もリスクの少ない家計の見直しになり、マイナス金利の恩恵を1番受けやすい方法です。
当事務所はFP事務所として住宅ローンの借り換えのご相談もお受けしておりますので、ご希望の方は是非お問い合わせ下さい。
トータルの返済額が何百万円も変わるかも!?
マイホームを購入した時からかなり検討して住宅ローンを選択した人は、借り換えをしてもそんなに違わないかもしれません。
しかし、あまり考えずに住宅ローンを組んだという方はもしかするとかなりトータルの返済額が変わってくる可能性があります。
なので、メリットを感じたらすぐに借り換えをした方が良いと思います。
トータルの返済額が変われば、月々の返済額もかなり違ってくると思います。