先日スルガ銀行が一部業務停止命令を受けたとのニュースがありました。
投資としてお金を借りてシェアハウスを建てているわけなので、住宅ローンとは根本的に違います。

しかし、マイホームを購入する流れについては少し似ている気もしないではないです。
ただ、本当に個人のマイホーム購入については全く影響はないのでしょうか?
ここではスルガ銀行の業務停止処分による様々な影響についてお話したいと思います。
目次
スルガ銀行が行なった不正の手口とは?
積極的な融資で業績を伸ばして業績を伸ばし、業界の風雲児的存在だったスルガ銀行でシェアハウス建築などに対する不正融資が発覚し業務停止処分が下りました。
今回の不正は営業担当者が融資審査申請する際に提出する書類を改ざん・偽造し借主の年収や資産を実際よりも高くしていたという非常に稚拙な手口です。

ただ、現場の人間の個人的な利益のために不正が行なわれていたわけではないと思います。
どのような背景で不正が行われてしまったのでしょうか?
不正が行なわれたその背景について
不正の背景には、非常に厳しいノルマを達成しなければならない環境があったようですね。
しかし、この不正には役員も関与してたというところが同族会社であるスルガ銀行の抱える問題の根深さを物語っているような気がします。
昔から金融機関で起こる不祥事は、下記のような実に単純なものが多いんですね。
- ATMに入れるお金を抜いて自分で使う
- お客様から預かった定期預金を勝手に解約して使ってしまう
何ですぐにバレる事をしてしまうんだろうかと不思議な気持ちになるのですが、それでも不祥事というのは後を絶たないのが現実なんですね。

今回のスルガ銀行の場合も検査が入って収入を公的証明書と付け合せれば一発で分かってしまう単純な不正です。
やっている人間も『いつかとんでもない事になるぞ』と分かっていたはずです。
しかし、それでもやめられない雰囲気があったんだろうと想像すると、金融機関に身を置いた事がある人間としては何とも切ない気持ちになります。

今回の事件が住宅ローンに与える影響について
さて、今回の事件が住宅ローンに与える影響について考えてみました。
今回のケースでもそうですが、融資関連の不祥事が発覚するのは、お客様が返済できなくなった時がほとんどなんですね。
返済が滞り不良債権となり、回収できなくなって初めて内容を詳細に確認し、不正が発覚するのがパターンです。
住宅ローンでは返済ができなくなった場合、担保物件である住宅を売却してローンを返済します。
しかし、ローン残高以上の金額で売れなければ融資金を回収できなくなります。
これを防ぐために購入する物件がローンの残高に見合った価値のある物件かどうかを審査するのが担保評価になります。
バブル以降はこの担保評価額が結構厳しくなっていましたが、ここ最近は銀行が住宅ローンに力を入れていた分、新築・中古物件共に担保評価が緩くなっていたような気がします。

今回の処分で住宅ローンが借りにくくなる?
今回のスルガ銀行の不正融資によって、銀行に対する金融庁の検査体制は間違いなく強化されると思います。
なので、今後は住宅ローンの審査も厳しめになっていくと考えられますので、緩くなっていた担保が元に戻り借りられる額が今までよりも低くなる事は十分考えられます。

また、対面で審査をしないネット銀行などは書類の偽造を防ぐために、職業・勤務先・勤勤務形態など申込人の属性のハードルが上がり審査が厳しくなるかもしれません。
不正があれば審査も当然厳しくなります。
真面目にやっている人にとってはちょっと迷惑な話ですが、マイホームの購入を考えているという方はそんな知識も頭に入れておくと良いかも知れません。
一般の方には分からない部分が多い
住宅ローンの審査が厳しくなったとかなっていないとかは一般の方には分からない部分が多いと思います。
マイホーム購入専門のファイナンシャルプランナーとしてそういった傾向になった場合はすぐに情報を発信していきたいと思います。
ただ、マイホームの購入に関係がないところでも実は少し関係があったりしますので、日々のニュースをチェックする事も意外に大事だったりするんですね。
