北海道胆振東部地震の余波もかなり落ち着いてきたようですが、震源地に近い地方ではまだまだ厳しい状況が続いているようです。
1日の早い復興をお祈りしています。

さて、今回の地震によってマイホーム購入にもいろいろな影響が出ていますので、いくつか検証してみたいと思います。
地震によってマイホームの購入にどのような影響が出てくるのでしょうか?
地盤がしっかりした地域を選ぶのが常識だった
今回の地震では札幌市内でも液状化現象が起きて、家が傾いたり、道路が不通になったりした区域がありました。
液状化が起こった多くの地域は造成時に埋め立て工事がなされていたり、近隣で地下鉄工事があったところのようです。
昔は地盤の悪い地域では家が傾いたりする事もあったので、住宅建設には地盤のしっかりした地域を選ぶのが常識だったんですね。
しかし、最近は杭を打込んで地盤補強工事の技術が進み、地盤の悪いところでも家が傾いたりする事もほとんど見られず、地盤の強度を気にする人が少なくなっていました。
今回の地震では地域によって大きな被害の差が出ましたので、今後は地盤選びもマイホーム購入の大きな要素になってくると思います。

今回地盤被害が大きかった地域では地価の下落が予想されます。
ただ、同じ区内でも地盤の良いところはありますので、なかなか土地が見つけられず苦労していた方々は、逆に狙い目かもしれません。
マンションが地震に強いというイメージは崩壊
今回の地震で1番のトラブルはブラックアウトと呼ばれる大規模停電でした。
この停電で弱点がさらし出されたのが高層マンションでした。
従来、きちんとした耐震構造で作られたマンションは揺れにも強く、まだ地震による火災の被害も少ないため、マンションは地震に強いというイメージが持たれていました。

しかし、全てが電気仕掛けとなっている高層マンションはエレベーターが止まっただけでなく、水が出なくなるという新たな欠点が露呈してしまいました。
さらにオール電化のマンションでは煮炊きも出来ずかなり大変な思いをされた方が多かったようです。
特に雪かきがいやでマンションに移り住んだ高齢者の方達が階段を上り下りして給水車から汲み取った水を運ぶ姿は印象的でした。
今後はマンションの停電対策も進むものと思われますが、『マンションは地震に強い』というイメージは崩れ、しばらくはマンション販売にも微妙な影響を与えるような気がします。

復興景気と住宅価格について
大きな被害を与えたこの度の北海道胆振東部地震に関して政府は特別な予算を組み復興を援助する方針を見せています。
これによって土木・建築の業界は大忙しとなる事が予想されます。
東日本大震災の時もそうでしたが復興工事により発生するのが建設業の人手不足です。
人がいなければ人件費が上がり、人件費が上がれば建築費も上がります。
という事で、今後は家の値段が高くなる事が見込まれます。
そうでなくても北海道は、オリンピック景気に沸く東京に人を取られて型枠大工さんが不足し、基礎工事が進まない現場がたくさんあるようです。
注文住宅建設を考えている方にとっては 『自社できちんと大工さんを抱えている業者さんかどうか』も業者さんを選ぶポイントになるかもしれません。

今までの住宅購入に対する価値観が変わるかも
今回の地震でマイホーム購入に関する影響というのは多大なものがありました。
土地選びには地盤選びもプラスされ、地震に強いと言われたマンションはそのイメージがガラリと変わりました。
ただ、このような経験を経て得られる情報は絶対に無駄になる事はありません。
マイホーム購入に限らず現在お住まいの家について考えるきっかけになったという方も少なくないと思います。
